いまむさん | 短編小説

うまく言葉に出来ない、心情を短い文章にまとめていけたらと思います。

未来の幸せ | 3分短編小説

彼は、結婚をして子供と妻がいる。
家族を養っていくために、貯金をしている。貯金は、将来のため、また何かあったためのそなえとして、貯金をしている。

また、空いた時間には仕事で役に立つ情報含め、自己啓発に励んでいる。こちらも将来のため。何か仕事でうまく行かない場合は、能力を生かして切り抜ける、もしくは転職をするため。

さらに、彼は副業としてYoutubeやその他、会社以外のところから収益を確保しようとしていた。これも、将来のため。

彼は、将来のために、色々なリスク回避をするために、様々な事を準備している。
しかし、全てが上手くいっている訳ではなかった。

貯金も、思った通りに資産が増える事は中々無く、急な出費や子供のためにお金が必要となったり、色々な理由はあるが、思う様に成果が上がっていない。

自己啓発は、空いた時間を使って、役に立ちそうな事を情報収集するが、それが本当に今後の役に立つのか、そもそもその情報や能力を取得するために使う膨大な時間と、能力を取得出来る保証も無いため、こちらも中々思う様に成果が上がっていない。

副業も同じく。Youtubeやその他の方法で収益を得る事は、難しくうまくいっていない。どれもこれもうまくいっていないので、彼はとても悩んでいた。

そんな彼を、彼の妻はこう言った。

将来の事ばかりに目を向けて、悪いとは言わないけど、今あるこの暮らしにもっと目を向けないと、幸せを感じる事は出来ないわよと。

彼は、気づいた。今まで、使ってきた時間が無駄だとは思わないが、何か大事な事を忘れていた事に気づいた。将来の事ばかりに気を取られ、日常な些細な幸せを感じようともしなかった事。

ご飯を食べられる幸せ。体が動く幸せ。家族がいる幸せ。きついけど、仕事がある幸せ。将来の事を考える事も大事なのかもしれないが、今ある幸せに目を向ける事がもっと重要な事だと、彼は気づいた。

人間は、安心や安全を欲しすぎて、その欲によって、少しおかしくなってしまっているのかなと彼はふと思った。そういった欲によって、自分の人間的な大事な物を見失ってしまいかねないと彼は、寒い夜に、幸せなビールを飲みながら彼は考えていた。

 

 

 

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